コンセプトを持つこと、伝えることの大切さ~羽黒高校訪問記

2016haguro 先日、山形県の羽黒高校を訪問しました。仕事ではなく、中学生の次男をソフトテニス部の練習に混ぜていただくのが目的です。羽黒高校ソフトテニス部と言えば全国大会でも上位に進出する強豪校です。次男のレベルでは厳しいところなのですが、中学校の部活だけでは視野が狭くなりがちなので、「技術面だけでなく、部の運営という点でも高いレベルを体験させたい、視野を広げさせたい」という思いから練習に参加させていただきました。

新年度が始まったばかりで顧問の先生も忙しく朝は不在でしたが、駐車場に到着した早々、部員の方に出迎えていただきました。簡単な挨拶をして次男をお渡ししたのですが、キャプテンだけが私のところに残っています。「遠いところ、お疲れ様です」と切り出したので世間話かと思いきや、「それでは、まず初めに羽黒高校についてご紹介させていただきます。」ということで羽黒高校ソフトテニス部に関する話が始まりました。

そこで伺ったのは、「自分たちは日本一を目標にしている」、「今日は先生が不在だが、そういう事に左右されることなく目標を持って練習に取り組むよう意識している」、「当日の練習メニューと、ゲームに多くの時間を割いている理由」についてです。そして、最後に「練習を見るのであれば、こういうところも見ていただければと思います」という話で締められました。最初は普通に聞いていましたが、途中からは帽子を取って直立不動で話を伺いました。いや、練習内容以前に、これだけでも感動モノでした。

後で顧問の先生に伺ったところ、「言っている割に実践できていないことがある」という評価がありましたが、私の目から見ても物足りない点はあります。が、それは、彼らの立てた目標・コンセプトを聞いて、それを大前提にしているからこそ、「ここを改善した方が良い」、「こんなことも出来るのでは」という目で見ているからに他なりません。

「目標を立てて、それを達成するための行動指標を持ち、明確な練習方針のもとで練習に取り組む」...目標を掲げながらも現時点ではできていないこともあるようですが、日本一という明確な目標に向かって自分たちで考え、工夫し、改善してゆくという立派なマネジメントサイクルが自然と作り上げられています。ドラッガーの考え方を踏襲しているのは野球部の女子マネージャーだけではないようです。

こういう仕組みが出来上がっていることは素晴らしいことですが、それ以外に着目するポイントがもう一つ。それは、「この話を何故、私に伝えたのか」という点です。今回の私の立場は学校関係者でもなく、見ず知らずの中学生の保護者でしかないのです。「何故、そこまで説明したか」までは聞かなかったのですが、「指示されたメニューをこなすことが練習」なのではなく、「目標を持ち、それを達成する方法を考えて、取り組むことが練習」という高い意識で取り組んでいたからなのではないかと考えています。

経営においても「経営理念を立てる」、「事業コンセプトを策定する」ことは重要です。業績を上げるためには日々のセールストークやチラシの書き方、どうすればモノが売れるかという販売促進の手法などに目が行きがちなのですが、それ以前に組織としてのビジョンを持つこと、ミッションやバリュ―を明確にすることが大切です。そして、それを社員に伝え、共有しなければなりません。そうは言っても、方針を立てたり、計画を立案するということに気が回らない企業、日々の業務に追われてその日の仕事を終わらせることが目的になっている企業も多いのが現実です。が、彼らは高校生でありながら本気で日本一を目指す中で、企業経営の見本になるような組織運営に取り組んでいるようです。羽黒高校ソフトテニス部のこれからの躍進に期待したいと思います。

 

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