「ホームページを欲しい」と言ってはいけない

4月 30th, 2009 kseino Posted in IT利活用, 情報システム, 経営戦略 No Comments »

これまでホームページの作成は行っているものの、頼まれるまでは「作ります」とは言ってこなかった。が、最近は「作れるのであれば、教えて欲しかった」という要望も増えたことからホームページ上でも「作成します」ということを明示している。

なぜ、これまで黙っていたかというと「ホームページを作ってください」という依頼をすんなり受け入れられないケースがあるからである。

この「すんなり受け入れられないケース」としては、次のようなものがある。

  • 依頼しているようなホームページでは事業上の効果が見込めない
  • ホームページ作成以前に取り組むことがある

ホームページの条件

「今どき、ホームページは必需品」という説も否定できないのだが、やはり投資するのであれば費用対効果が得られるものでなければならないと思う。

この費用対効果として私が気にしているのは「粗利ベースで見たときに、ホームページに関する費用をまかなえていること」である。

例えば、粗利率20%のお店が毎月1万円のホームページ維持費を支払う場合、「毎月5万円の売上、または費用削減」という条件をクリアすることを最低目標としている。

しかし、単にホームページを作るだけでは、この費用対効果の条件をクリアできないケースが多いのである。

失敗しないホームページ作成

経営に役立つホームページを作るためには、そのお店の経営方針、商品構成の分析から始めなければならない。なぜなら、ホームページが単独で存在するのではなく、実在する業務と併せて、「どうすれば効果が出るのか」を論じなければ経営に役立つホームページにはならないからである。

この分析結果から業務のあるべき姿を再構築する。ここではホームページのあり方を議論するだけでなく、現行業務の見直し・再構築も必要である。

また、サイトの構築に当たってはインターネット技術動向に加えて、実際に当該企業がホームページ運用に耐えられるかどうかという点で情報リテラシの高低も見極めなければならない。最新技術で華やかなホームページを作ったは良いが、使い続けられないでは意味がないので。

ホームページを欲しいと言ってはいけない

このような検討を経た上で、初めて「利益の出るホームページ」を作ることが可能になる。

検討もないまま、「最近はどこでもホームページを出しているから、うちでも作ろうか」では、費用対効果を達成するのは厳しい。

「ホームページ作成業者が悪いから・・」という話も聞くが、依頼する以前に十分な検討を行わないのが成果の出ない根本問題であり、業者側に責任転嫁すべきではない。

「ホームページが欲しい」と言われれば、作成する側としてはそれに従うのは当然なので。(が、一部の業者さんでは本当に問題があるケースもあるのですが)

ホームページは絶対必要なものではないが、経営の役に立たせる可能性を秘めています。

「IT(ホームページ)は良くわからん」という前に、実店舗で新事業に取り組むのと同様に、しっかりとした議論を行って欲しいものです。


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「リピーター率90%超のディズニー」にみる市場調査の母集団とは

4月 27th, 2009 kseino Posted in マーケティング, 企業経営, 経営戦略 No Comments »

ディズニーランドのリピータ率

リピーター率90%超のディズニー「儲けのカラクリ」 入場料よりも大きな収益の柱とは」というニュースが流れていた。

ディズニーランド(オリエンタルランド)の発表では、何年も前からずっと高いリピータ率を維持している。

私もリピータの一人であり、園内でアンケート調査にも協力し、このリピータ率を引き上げた一人である。

リピータが多いのは確かであるが、この調査方法はちょっと曲者である。

私がアンケートを依頼されたときの経験と、その後の観察で気付いたのだが、アンケートをとる対象はランダムに選んでいるのではないようである。

では、どんな人にアンケートを取るかというと、お揃いでキャラクターのシャツを着ている家族とか、グッツを持っているとか、『明らかにディズニー好きな人』を対象にしているように感じる。

その結果として、高いリピータ率になるのは頷けるところである。

リサーチのポイント

さて、私も仕事上、アンケートを取る機会が多いのだが、誰にアンケートを取るかというのはアンケート結果の信頼性、信憑性を左右する重要なポイントである。

では、『明らかなリピーター』を対象にしているディズニーランドのアンケート、こういう母集団の取り方が良くないかというと、そうでもない。

なぜなら、実際のリピーター率がどの程度かは別にしても、ディズニーランドの場合はリピータが多いこと、根強いファンが多いことは明らかなのである。

商売の基本として新規顧客よりもリピータの方を大事にすべきである。リピータが少ないのであれば問題だが、多くのリピータが存在するのであれば、作為的にリピータにアンケートを取るというのは良い判断であるといえる。

パレートの法則が示しているように殆どのお店は「2割の客が8割の売上を上げている」という状況である。

既存顧客の意見を聞くときは、この2割の意見を大事にするのが基本である。

しかし、実際には大事にすべきリピータの声よりも、積極的に意見をいう顧客の意見を聞いていないだろうか。

「この商品を揃えて欲しい」と言われたり、「ここを改善して欲しい」と店内アンケートに書いてくれたり。とついつい聞いてしまうのだが、「声が大きい人」=「重要顧客」ではないのである。

折角、市場調査をしたのに、調査対象の母集団が誤っているために、向かうべき方向性を誤っているということは良く見受けられる。

その点、ディズニーランドのアンケートは、大事にすべき顧客を中心にして意見収集している。この点は見習って欲しい点である。

(なお、ディズニーランドがアンケートの対象者を選別しているというのは私の私見であり、上記のような意図を持ってアンケート収集しているというのも、私の推測です)


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POSレジ導入のチェックポイント

4月 23rd, 2009 kseino Posted in IT利活用, コスト削減, マーケティング, 企業経営, 情報システム, 業務効率化, 経営戦略 No Comments »

「POSレジを導入するメリットは?」でも記載したとおり、POSデータを分析することで売上管理や在庫管理に役立てることが可能である。これ以外にも店舗レイアウト・棚割の最適化に活用することもあるし、仕入管理で使用することもある。

非常に便利な機能が満載されているようであるが、これは「理論的にはこういうことに役立てることが出来る」のであって、「実際に利用できるか」は別物である。

POSは何を分析できるのか?

「理論」と「実際」の違いは何処から来ているかというと、ズバリ「POSレジの機能の違い」である。

商品販売に掛かる情報(時間、商品名、個数、顧客名など)を全てPOSレジが記録していれば良いのだが、POSレジによっては全てを記録していないものもある(販売時点では記録するものの、バッチ処理で集約されるケースもある)。また、全ての情報を記録しているものの、分析するための機能(POSレジに実装されているソフトウェアの機能)が十分でないこともある。

POSレジという名前がついているからと言って何でも出来る訳ではない。また、高価だから、有名メーカだから何でも出来るわけでもない。POSレジを導入する場合は、「何に使用するか?」を考え、それにあわせたものを導入しなければならない。

また、POSレジに分析機能があるからといって、直ぐに役立てられないケースもある。これは意外な盲点であるが、POSレジの画面上に分析に類するボタンはあるものの、それを押した後の説明が全くないケースもある。ある有名メーカのPOSレジを導入したときも、「操作方法についての説明書は存在しない。必要なら電話で聞いて欲しい。」という対応で、実際にPOSレジを導入してから分析に使えるようになるまで数ヶ月を要したケースもある。

POSレジは誰が、何を分析するか

前述のチェックポイントから「必要とする分析機能が存在し、使用方法も理解できたPOSレジは導入できたと思うが、2つめのポイントは、「誰が、何を分析するのか」ということである。

例えば、棚割の見直しに使うのであれば、次の2つの能力が必要である。

  1. 「売れ筋商品が何か、関連購買されている商品は何か」を分析する分析機能
  2. 「ゴールデンゾーンとはどこか?」といった商品陳列の基礎知識

これらの2つを組み合わせて適切なレイアウトを組むことが出来るのであって、POSレジを導入すれば自動的に最適な棚割が表示されるのではない。

一部のメーカでは、「売れ筋商品を探すのならば、こういう方法がある」という説明書を添付しているケースもあるが、あくまでも例である。それぞれのお店によって顧客層や販売特性も異なっている。それぞれのお店の特性や目的に合わせた分析を行うためには、POSレジに実装された分析機能に加えて、そのデータを分析する知識が必要である。


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