知っていれば良かった、グループ化補助金(3)支援機関の問題

1.地元密着の支援機関の弊害
グループ補助金の採択に向けては地元密着の公的支援機関が中心になると良さそうですが、地元の支援機関でも様々な問題が出てきます。
第一に挙げられるのは、自組織の担当エリアを超えた支援がしづらいという事です。商工会議所と会議所エリアにまたがったグループや、商工会同士であっても担当エリアを超えたグループは嫌がられることがあります。また、「住所はxx市内だが、会員になっていないので混ぜない」、「xxとyyは仲が悪いのでグループには含めない」というローカルな問題が出るところもあるようです。ただし、こういうことを考えずに「どの企業でも平等に」といってグループを組んだ場合、採択後に喧嘩別れしたり、共同事業に支障が出ることもあります。
第二の問題として、商工会議所・商工会の場合、申請作業とその後のフォローでマンパワーがとられます。まずはマンパワーを確保できるかが大きな課題です。私が担当した際は、グループ全体の共同事業は商工会と私で構築し、各企業の申請書は商工会職員と専門家派遣で各地(地元だけでは人材不足になるので東京にも応援依頼)の専門家をスポットで支援に入れています。が、やはり問題になるのは中期的なフォローです。これが負担になって、最初は積極的にグループの申請を支援していたのに、回を重ねるごとに消極的になり、最後には会員企業から問い合わせがあっても「うちにはグループ補助金が公募されるという情報は入っていないと答えるようにしました」といいだす機関もありました。

2.支援機関の縄張り争い
商工会議所・商工会以外になると地縁の問題は出にくいのですが、それ以外の公的支援機関になると支援者や業界の囲い込み、縄張り争いが起きやすくなります。

あるグループでは、「製造-卸-小売でグループを組みたい」という希望を持ったにも関わらず、公的支援機関の都合で「製造業者のみのグループ」になり、卸・小売りと製造業者の間に不信感が残ったままという業界もあります。また、担当する専門家に関しても派閥のようなものがあるようで、企業側が「業界を熟知したxx先生に支援して欲しい」と依頼しても、「yy先生でなければダメ」と拒否した支援機関もあるようです。