ITパスポートの活かし方

ITパスポートとは

ITパスポートとは国家試験である情報処理資格者試験の一つで、「ITを利活用する全ての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識」を問うものと位置づけられている。
一般的な情報処理資格者試験は技術者向けであるが、この試験に関してはITの利用者向けのもので、その試験問題も経営に関する知識を問う『ストラテジ系(戦略)』、管理知識を問う『マネジメント系(管理)』、情報技術を問う『テクノロジ系(技術)』で構成されている。

以前は「持っていても役に立たない」と言われた時期もあったが、最近ではデジタル技術の必要性が叫ばれていることや、ITを有効活用するには技術だけでなくビジネススキルも必要であるとの認識が広まったこと等を背景にその価値が見直されている。
「ITパスポート試験で求められている知識は必要不可欠」という認識のもとに社員への資格取得を進める企業も増えており、受験者数も右肩上がりで増加している。

資格の活かし方

IT活用の基礎知識を広く網羅しているので、業務遂行の様々なシーンでここで得た知識は活きてくる。ただし、業務遂行の場面では「どの知識をどの場面で活用するか」を示さないと、折角取得したスキルが十分に活かされないことになりかねない。

例えば、在庫管理をするのであれば、販売管理ソフトやEXCEL等のソフトウェアを操作する技術に加えて、在庫計算の考え方が必要になる。更に、在庫を最適化するために、取引先と仕入ロットの交渉をしたり、在庫保有量を削減できるようなビジネスモデルを考えるにはビジネスモデルを構築する能力も必要になる。
この例で示すようにIT活用の場面では「経営」「管理」「技術」の3部門のスキルが必要になる。実務遂行において必要な知識をITパスポート試験対策の中で習得することもあるが、中には追加で学習しなければならないものもある。

ITパスポートは「広く・浅く」なので、これを取得したからと言って業務効率化の即戦力になるとは言えないが、資格取得後も業務に必要な知識を適切に補完し続けることで誰もが業務効率化のスペシャリストになりえる入口の試験と言えるだろう。