中小企業向け補助金が大きく変わるか?

現在募集されている「ものづくり補助金」18次募集が能登半島地震の影響を受けた地区限定で、締め切りが延長された。これまで定期的に公募が繰り返されてきた「ものづくり補助金」としては、申請トラブル以外の理由で締め切りが延長されたのは珍しいことである。
また、昨年末に締め切られた16次募集から18次募集まで事業期間が令和6年(2023年)12月までに統一されているということも気になっていたが、この2つの事象からみて「ものづくり補助金は今年度で終了」に向かっている判断して良いだろう。

生産性革命推進事業とは

「ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金・IT導入補助金」はそれぞれ異なった事業だが、生産性革命推進事業の中で予算づけられていたものである。この事業自体、当初三年間のはずが更に二年延長となっていたもので、今年度がその二年目である。「本当に終了するのか、再延長するのか」が注目されていたが、この動きからして今年度でいったん終了と判断してよいだろう。

補助金の功罪

「補助金のおかげで新たな事業に取り組めた」という話もある一方、近年では補助金を獲得するためにそれっぽい作文をする補助金ビジネスなるものが増えている。
従前から「補助金申請のために事業計画作成を支援する」という取り組みは存在していたが、近年のように「補助金獲得のためにあり得ないことを書く」ことが広まっているのは異常と言える。
このような状況は問題視されているところだが、補助金をあぶく銭のように扱う事業者や、補助金申請の手数料を支払うかどうかで支援内容を変える金融機関まで存在し、既にタガが外れた状態ともいえる。

早ければ今年の補正予算、遅くても来年度の本予算では新たな中小企業向け補助金が示されるだろう。どのような内容になるのか注視したい。