日本人の格安労働力がもたらす未来

昨日のクローズアップ現代、「日本人の労働力が格安だから海外企業が日本に進出」とか。

ちょっと前までは「輸入品が買い負けする」とか、「不動産が外国人に買われてゆく」とかが問題になっていたが、ついに労働者も買われる時代になってしまった。

ここ数日の国内ニュースは最低賃金の上げ幅をどうするかという話が出ている。

最低賃金を20数円引き上げるかどうかとか、賃金が低迷するのは派遣会社の元会長さんに問題があったとか、そういう小さなレベルの話をしているうちに海外から進出した企業が高い賃金で日本人を雇用し、全ての問題を解消するのだろう。

その裏で、日本人は労働者として都合よく使われるだけの民族になってしまうという新しい問題が生まれそうだが。

このシーン、まさに小松左京の日本沈没のエンディングのようだ。日本沈没のラストは国土も財産も失った日本人が流浪の民として世界中に散らばってゆくというものだが、ほぼその通りだろう。

違う点と言ったら日本列島という土地は残るということだが、その持ち主の多くは日本人では無くなるのだから、似たようなものだ。

そこまで危惧するのは杞憂かもしれないが、日本経済が再び成長に転じるよりも、このような未来の方が現実味を感じるのは私だけではないだろう。