問題 ユーザ企業のITリテラシーが低い
「ITリテラシー」とはITを活用する能力を指します。
業務部門(現場)のITリテラシーが低いと、現場の問題をヒアリングに行っても有効な話が聞けなかったり、改善案を提示しても有効な反応が得られない等の問題が起きることがあります。
が、「分からない」のであれば説明すること、時間をかけることで解決できるケースが殆どです。
業務部門(現場)以上にITリテラシーが低くて困るのはIT推進部門のリテラシーが低い場合です。
「知らない」だけなら良いのですが、システム化の検討において必要最低限のITリテラシーが備わっていないケースになると、検討を進めるのも困難になります。
具体的には、「経営者が経営の効率化を図ることを目標にしているのに、システム部門がシステムの操作レベルの視点しか持っていない」ようなケースが挙げられます。
このようなケースも結構多いのですが、ITリテラシーが欠けている部門がそれを認識しているかどうかというと、認識していないケースが殆どです。
解決策 リテラシを上げる、またはシステム化のレベルを下げることも
「外部の有識者を入れる」というのも一つの手段ですが、やはり社内にある程度のリテラシが備わっていないといけません。IT部門の知識が不足しているなら「ユーザ企業内で勉強会を開催する」ことが考えられます。
が、IT部門が必要最低限のリテラシを備えておらず、勉強会程度ではどうにもならないケースもあります。
経営者は高いレベルを目指しているのに、IT部門はそこまで育っていない...このようなケースで無理に「経営革新を図るような新システムの導入」を目指しても実現は困難です。
「誰もよく分からないままにシステム導入を推進する」こともありますが、「稼働したものの期待通りの効果が出ない」「役に立たないという不満ばかりが出てくる」という結果に落ちいがちです。システムを利用する側(ユーザ企業)のレベルにあわせてシステム化の目標を引き下げるということも視野に入れた方が良いでしょう。
なお、企業毎のIT経営の成熟度に関しては経済産業省IT経営ロードマップにも記述があるので、こちらも併せてご覧ください。