知っていれば良かった、グループ化補助金(4)グループの構成

1.グループ構成には関与した方が良いか?
支援機関と言っても全ての企業に対して中立、公正というわけではないので、こうなると独立した中立機関がグループ構成案を作るというのもありえます。ただし、それはそれで問題が出てきます。どうやっても不具合は出るし、おかしな構成でもうまくゆくグループもあります。ここはグループを組む企業、支援者などによって左右されるところで、「こうすれば上手くゆく」というモノはありません。
採択される企業が増えてくると申請できる企業が虫食い状態になり、これがこじつけグループになります。こじつけグループでもその中で協力し合って活路を見出そうと努力し、非常に良い関係を構築したグループもあります。こじつけも絶対的に悪いとは言えません。このような成功もある一方で事業者が自主的にグループを組むと的外れなグループになり易いので、ある程度は外部の支援が必要です。
が、場合によっては外部で考えたプランが地元のためにならないこともあります。地域の商業を活性化するために、大型の核店舗(スーパー)を招いてグループを構成した地域の事例です。核店舗が中心となって住民の流出防止、利便性の確保を狙ったのですが、ある業態(例えば酒販店)に着目すると、核店舗にテナントとして入店できるのは一店舗だけです。この事例では、「自分だけここに入るわけにはいかない」ということで、従来から存在する地元の酒販店数軒が地域の復興計画から除外され、地域の核店舗であった組合の理事長もテナントとして入居すること、グループ補助金の活用を辞退したという事例があります。このプランを考えた公的機関は鼻高々でしたが、その陰ではこのような事態も起きています。

2.グループ構成に柔軟性を持たせる
制度上は採択された企業が別グループに参画することは認められていますが、補助金を両方から受け取ることは出来ないにも関わらず両グループの共同事業を行わなければならないという制約がありました。共同事業が魅力的であれば複数のグループに属することも厭わないと思うのですが、共同事業の内容には県からいろいろと注文され、これが本業の重荷になることが多いために積極的に複数グループに加盟しようという企業はありません。良いグループを構成させるには、既に採択された企業が別グループに参画する場合の負担を軽減することを念頭に置くと良いかもしれません。また、ハードルを上げるために、本来の事業の重荷になるような共同事業を求めすぎないということも重要です。